新聞記事から見る申告漏れ事件7
K―1などの格闘技人気や韓流ブームで、来日した外国のプロスポーツ選手やタレントが、日本で稼いだ賞金やテレビ出演料にかかる消費税について、国税当局から申告漏れを指摘されるケースが相次いでいる。
今年6月までの1年間だけで数十人が課税されたとみられる。3年前に消費税免除の基準となる売上額が引き下げられたこともあって、国税当局は「稼いでそのまま帰国する『逃げ得』は許さない」と目を光らせている。
格闘技ファイターにプロゴルファー、韓流スター……。最近、国税当局の調査対象になった面々だ。
一時的に来日しただけで、日本に住んでいるわけではないスポーツ選手や芸能人らも、日本で生じた所得には所得税を納めなければならないが、多くは賞金などを支払う側が源泉徴収して納税しているため、本人が申告する機会はない。
ただし、消費税は別。スポーツ選手や芸能人は税法上、プレーや演技を観客らに提供して賞金や出演料を得る「事業者」とみなされて、賞金などには消費税もかかる。このため、税務署に課税事業者として届け出て、申告する必要がある。
だが、外国人には、こうした消費税の仕組みや納税意識がなかなか浸透していないのが実情だ。一方で、スポーツ選手や芸能人らを招いた側には消費税の納税を代行したり、申告について説明したりする法的義務はなく、外国人の納税手法は確立していない。このため、申告しないまま帰国してしまい、取りはぐれることがよくあったという。
2004年4月からは、消費税を免除される事業者の売上額が3000万円から1000万円に引き下げられて、納税義務者が一気に拡大。日本で活躍する外国のプロスポーツ選手や芸能人らも年々増えており、消費税の無申告は見過ごせなくなってきた。
毎年のように来日しているあるスポーツ選手は、年によっては1億円近い賞金を得ていたが、消費税をまったく申告していなかった。無申告加算税などを含めて約500万円を追徴課税されたが、本人は消費税の仕組みそのものを知らなかったとみられる。
大物韓流タレントが契約する東京都内の芸能事務所では、「消費税の申告は税理士が代理で行う契約をタレントと結んでいるので、出演料は消費税分を取り置いた上で渡している」と話すが、こうしたケースは珍しい。
国税庁個人課税課では、「消費税の申告制度を知らない外国人も多いと思われ、調査を徹底するだけでなく、外国人を招いている団体側にも指導を進めたい」と話している。
(2007年11月10日 読売新聞)
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