2008/5/19 月曜日

会社法 会社設立(株式会社編)5

Filed under: 新着情報, 藤澤公貴ブログ — hayashi @ 22:34:25

<定款作成2 商号とは>

 前回は定款について説明してきました。その中で記載が必要な絶対的記載事項の中で「商号について」ご説明したいと思います。
 商号とは、会社の名称のことをいいます(会社法6条1項)。「 商号 」 は 「 会社の顔 」 とも言われるくらい重要なものです。顧客にとって親しみやすい、覚えやすい、呼びやすい、インパクトがある、主力商品や主力事業を連想させるなど、様々な点から検討する必要があります。
 例えば、ソニーという名称は「音『SONIC』の語源となったラテン語の『SONUS (ソヌス)』と小さいとか坊やという意味の『SONNY』から来ています。簡単な名前で、どこの国の言葉でもだいたい同じように読めて、発音できることが大事ということで考案されました。」とソニー株式会社ホームページに記載されています。
 また、アシックスという名称について、「紀元2世紀の初め、ローマの風刺作家ユベナリスが「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神があれかし、と祈るべきだ」との名句を残しました。原典では「精神」は「Mens」で表現されていますが、「躍動する精神」という、より動的な意味をもつ 「Anima」に置きかえ、“Anima Sana in Corpore Sano”とし、この言葉の頭文字をとって当社の社名としました。 」と株式会社アシックスホームページには記載されています。

 このように、商号には大切な思いが込められており、そしてそれを永く使用していきます。まるで商号を決めるという事は、子供の命名と一緒ですね。いま、この世の中に新たな会社を生み出そうとしています。どのようにこの会社を育てていきたいか、もしくは成長していって欲しいか、思いを巡らせながら決められたらいかがでしょうか?きっと、その後の展開が違ってくるかもしれません。そして決めた商号を大切に育てていく気持ちが大事だと思います。以下では、商号を最終決定するうえで注意すべき事柄を記載していきます。

会社の種類の表示

 商号には、「株式会社」という会社の種類をあらわす文字を使用しなければなりません(会社法6条2項)。他の種類の会社であることを誤認させるおそれがある文字を用いることは禁止されています(会社法6条3項)。なお、会社の種類を表示する文字は、前後どちらにでも表示することが出来ます。いわゆる「前株、後株」と呼ばれるもののことです。

類似商号調査

 商号を決定する際には、自分の選んだ商号について法務局で商号の調査をする必要があります。これを類似商号調査といいます。類似商号調査は、同一本店所在地で名称が同一の会社が既に存在している場合、その名称での会社設立登記は認められませんので(商業登記法27条)、それを事前に防ぐために行われる調査です。仮に、調査を行わずに類似商号とみなされた場合は、最初からやり直しになってしまいます。
 会社法施行前は、同一市町村内において、他人が同一の事業目的のためによく似た商号で登記をしていた場合、登記することが出来ないとされていたため、商号の調査をかなり厳格にする必要がありました。しかし、会社法施行後は上記で述べましたように同一商号、同一本店所在地に同じ商号が無い限り、登記自体はできることになり、従来のような厳格な商号調査は必要なくなりました。
 しかし、この場合でも注意が必要です。商号の不正使用に該当しないかなどの調査を事前にする必要があります(会社法8条1項)。他の会社と誤認されるようなおそれのある商号を使用した場合、営業を侵害されたり、侵害されるおそれがあると判断した会社から差止請求や損害賠償請求の対象になる可能性があります(会社法8条2項)ので注意が必要です。その商号を使用することに関して、不正な目的を持っていたか否かが争いになります。有名企業の名称や、商標登録されているような名称を商号として選択することは、自分では不正な目的がないと思っていても、避けるべきです。商号を調査するには、電話帳やインターネットを使用する方法もありますが、確実な方法として、法務局に備え付けの商号調査簿を閲覧されることをお勧めします。商号調査簿には、登記されている会社の商号と本店、目的などが記載されていますので、いろいろと参考にもなります。類似商号調査は不要となったとする記述もよく見かけますが、実務上は類似商号の調査を怠ってはいけません。以下では、法務局で行う商号調査簿の閲覧の流れを記載します。

1.本店所在地を管轄する法務局へ出向いて行います。
    ↓
2.法務局の受付窓口で、備え付けの商号調査簿閲覧申請書の用紙に必要事項を記載して申請します。無料なので「登記印紙」は貼りません。
    ↓
3.商号調査を行います。判断に迷うときは登記官に相談しましょう。
    ↓
4.閲覧の結果、類似商号とみなされる商号がなければ、会社設立の手続きを進めます。

利用できる文字・符号

 商号として使用できる文字や符号は、定められており、規定外の文字や符号を利用することは出来ません。
使用できる文字はひらがな、漢字、カタカナ、ローマ字、アラビア数字に加えて、「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「・」(なかてん)、「.」(ピリオド)の6種類の符号を用いることができます。詳しくは民事局「商号にローマ字等を用いることについて」を参照ください。

定款記載例

(商号)
第1条 当会社は、藤澤経営株式会社と称する。

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