2008/6/24 火曜日

会社法 会社設立(株式会社編)9

Filed under: 新着情報, 藤澤公貴ブログ — hayashi @ 20:00:41

<定款作成3 発行可能株式総数とは>

 前回に引き続き定款の内容について説明していきます。絶対的記載事項の中の「発行可能株式総数」についてご説明したいと思います。
 発行可能株式総数とは、定款を変更することなく、将来に渡って発行が可能な株式の総数のことです。会社設立時の発行株式数のことではありません。 
 会社法37条において、「株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 」としており、この「株式会社の設立の時までに」という点が他の株式会社の絶対的記載事項と性質を異にします。株式の引受けの状況などを考えながら決定することも出来ますが、あらかじめ株数を決定しておいたほうがよろしいかと思います。
 また、会社法37条3項において「設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。」とされております。ここで、公開会社で行くか非公開会社で行くかを選択することによって法律の適用が異なってきます。つまり、公開会社であれば、発行済株式数の4倍以内で発行可能株式数を設定しなくてはならないからです。ところで、公開会社と非公開会社とはどのような違いがあるのでしょうか?

 公開会社とは、「その発行する全部または一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社」(会社法2条5号)をいいます。一方、非公開会社とは、公開会社ではない会社のことを言います。
 株式の譲渡は、本来自由に行なわれるものですが、株式会社にとって好ましくない者の経営参画を防止することができるようにするための制度として株式の譲渡に制限を設けることが出来ます。この株式の譲渡に制限を設けていない会社が公開会社で、株式の譲渡に制限を設けた会社が非公開会社となります。決して、株式会社が証券取引所に上場していれば公開会社で、証券取引所に上場していなければ非公開会社であるというわけではありません。証券取引所に上場していなくても、株式に譲渡制限がなければ公開会社ということになるからです。ほんとんどの会社は、株式に譲渡制限を設けて会社設立を行なっている傾向にあります。

 発行可能株式数をあらかじめ余裕をもって設定しておけば、増資などに対して機動的に対応することが出来ます。しかしながら、増資を行なうことになれば、既存の株主の持ち株比率が低下する恐れもあります。そのため、これらを維持するためにも、発行可能株式総数を規定する必要があるのです。逆に発行可能株式総数を超える株式を発行することはできませんから、定款で、発行済株式総数と同数の発行可能株式総数にしておけば、定款変更をしない限り,新株を発行することはできません。このように発行可能株式総数によって,新株発行等が制限される制度のことを授権資本制度と呼ばれております。

 ちなみに、会社法においても株式は無額面株式(株数だけで金額表示のないもの)とされております。2001年10月1日から、企業で発行される株式はすべて無額面株式となっています。

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