新聞記事から見る申告漏れ事件5
東証1部上場の大手スピーカーメーカー「フォスター電機」(本社・東京都昭島市)が東京国税局の税務調査を受け、06年3月期までの3年間で約18億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。税率が低い香港の子会社の取引が、税負担の回避を防ぐ「タックスヘイブン(租税回避地)対策税制」の適用対象とされ、親会社が申告すべきだった子会社の所得を申告していなかったと指摘された模様だ。
タックスヘイブン対策税制は、香港など税率が低い国・地域に設けた海外子会社に所得を移し、課税逃れされないよう、子会社の所得を日本で発生したとみなして課税する制度。日本企業の多くが生産コストの有利さなどから中国の華南地区に進出しているが、ここ数年でメーカーなどを中心に申告漏れを指摘されるケースが増えている。
関係者によると、フォスター電機は、中国向けのスピーカーやヘッドホンなどの商品を、香港にある連結子会社「フォスターエレクトリック」を通じて、中国・広州の関連会社などに製造委託している。販売収益は現地の当局のみに申告し、納税していたと見られる。
同国税局は、広州の関連会社は香港の子会社が実質的に管理・運営しており、子会社は製造業に当たると指摘。子会社は所在地の香港に工場を持たないため、タックスヘイブン対策税制の適用除外規定にはあたらないと判断した模様だ。
フォスター電機は08年3月期の中間決算で、過去数年分の過少申告加算税や地方税などを含む追徴税分の約14億円を見積もり計上したと公表。同社は「東京国税局の判断により、子会社の過年度における課税対象留保利益にかかる法人税などを計上した」としている。
フォスター電機はスピーカーやヘッドホンなどの専業メーカーでは業界1位で、07年3月期の単体での売上高は約535億円。
2008年01月09日 アサヒコム
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